工事現場には様々な危険が伴い、それを未然に防ぐため各現場ごとに工夫した対策を練る必要があります。今回は洞ヶ沢の現場で実施した、安全対策の一例を紹介したいと思います。
①安全通路の設置
当現場は堤長がL=255mと長く、それと平行に築造した工事用道路との間が自由に往来できる状態でした。
そのため、現場作業員とクレーン車及び工事車両との接触事故が懸念されたことから、通路を設置して明確に区分することで現場作業員の安全を確保しました。
②落石防止柵の設置
現地は、工事用道路からえん堤の掘削箇所に向かい緩勾配であったことから、コンクリートを打設するためのクレーン車をセットするために、水平に盛土をして作業スペースを築造しました。
そのため、盛土法尻部と掘削箇所の法肩部が交差することから、盛土部からの落石により掘削作業が危険となることが予測されました。
そこで、落石を防止するために、盛土法尻部には足場材である『幅木(はばぎ)』を利用して、簡易的な防止柵を設置しました。なお、防止柵を固定する杭には、現地で発生した『伐採枝』を使用しました。
八幡平山系洞ケ沢東沢第2砂防えん堤工事
工事のご紹介と進捗状況のお知らせです
いよいよ完成に向けて、工期がせまってきました。約半年間の工事も今月で最後となります。
1枚目の写真の手前には、正方形の形をした構造物が規則的に並んでいるのが見えます。
これらは護床ブロックというもので、川の流れによる堤体の洗掘を防ぐ役割をしています。
2枚目の写真は左岸側、3枚目の写真は右岸側から撮った写真になります。
川の上流から下流に向かって立った場合、左側を左岸、右側を右岸といいます。
前回の更新から1ヶ月ほど経過し、見た目にもだいぶ全体が明らかになってきました。
掲載写真は上から本えん堤(袖折れ部)、本えん堤(放水路部)、副えん堤の状況になります。
本えん堤(放水路部)の写真からは、「水孔」と呼ばれる丸い穴が2ヶ所開いているのが見えます。穴の直径はΦ1,000(1m)あり、流れてくる水はここを通ります。また土砂で穴が塞がった場合や水量が多い時には、水孔上部の天端から排水されるようになっています。
副えん提は、本えん提の下流部に位置し、本えん堤からは低く設置されており、上流から流れ落ちてくる水の勢いを減衰させる役割をしています。
一枚目の写真は、ラフタークレーンで砂防ダムの堤体中央部に生コンを打設している様子です。
二枚目の写真は、ポンプ車で生コンを打設している様子です。現場の状況によって、クレーンやポンプ車を使い分けて作業しています。
三枚目の写真は、バックホーで堤体の埋め戻しをしている様子です。堤体の左側には重機が入れないため、反対側からアームが延長されたロングリーチのバックホーでの作業になります。
この現場は八幡平リゾートパノラマスキー場やプータロ村から数キロ離れた場所にあり、近くを通る道路からは一枚目の写真のように見えます。
二枚目の写真は25tラフタークレーンでホッパーを使い、生コンを打設している作業を写したものです。
三枚目は打設が完了したところを撮った写真です。